コラム「組織の成長加速法」-第158回 77%が出世拒否──それでも“2年目の9割”が管理職を目指す会社のつくり方
77%が“出世拒否”の時代に──
入社2年目の9割が「管理職になりたい」と宣言する会社はどう生まれたのか?
「うちの社員は誰もポジションを狙わないんだよね」
そんな嘆きを耳にすることは珍しくありません。
ところが、私たちが7年間伴走してきたある企業では、2年目社員の実に90%が「管理職になりたい」と手を挙げるのです。
1 離職ラッシュから始まった物語
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新卒採用開始から12年。
最初の5年間で30名を迎えたものの、6年目には残ったのはわずか2名──。 -
「若手が定着しない」という深刻な悩みを抱えた時に、私たちの支援が始まりました。
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7年後の今、社員の半数以上が新卒出身者。彼らは課長・係長として現場を動かす主力になりました。
2 “出世拒否”をひっくり返した鍵はマネジメント技術
かつて彼らも例外ではありませんでした。
「あんなに働くのは無理」
「仕事が人生すべてになるなんてごめんだ」
「管理職はただ大変そう」
社員の 8割が出世を拒否していたのです。
私も粘り強く問いかけました。
「今見えている“係長・課長”像が未来永劫続くわけではない。
あなた自身が“新しい管理職像”を創る側に回ったらどうだろう?」
そして7年──。
光景は一変しました。背中を押したのは“精神論”でも“残業ゼロ宣言”でもありません。
それは、社員も上司も成果を“スムーズに”出せる
再現性あるマネジメント技術でした。
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部下を後押しすると数字が動く
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数字が動くと達成感が湧く
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達成感が連鎖し、「あの上司になりたい」が広がる
“こんな風になりたくない”が“こんな風になりたい”へ。
まるでオセロの盤面が一気に白へ変わるかのようでした。
3 「言われたことしかやらない」が消える瞬間
管理職の代表的な悩み──
「部下が指示待ち。提案が出てこない」
私の処方箋はシンプルです。
「“提案してほしい”と具体的に伝えましょう」
従来型の管理職は、言った瞬間にフリーズします。
一方、マネジメント技術を身につけた管理職は即実践。
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面談で“提案の型”を共有
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小さな成功を即フィードバック
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1か月後には提案件数が倍増
数年抱えたモヤモヤが、数週間で“白”に反転するのです。
4 「提案できる人材がいない」は思い込み
「うちの社員には能力がないから──」
違います。
“提案する力を開発する仕組み”がないだけです。
仕組みができ、成功体験を積めば、“自ら変化を起こす楽しさ”を知ります。
その快感を覚えた社員が、再び“教える側”に回る──。
ここに 永続的な成長サイクル が生まれます。
5 気合も根性もいらない。“スッ”と変わる組織へ
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説得に疲れる上司
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ひたすら指示を待つ部下
この構図を終わらせるのは、感情論でも長時間研修でもありません。
誰でもカンタンに実践できるマネジメント技術を導入するだけ。
一度“スッ”と変わる感覚を味わえば、組織は自走を始めます。
まとめ──次はあなたの番です
もし、まだ「管理職になりたくない文化」が社内に根を張っているなら──
オセロをひっくり返す一手は、いつでも打てます。
社員が「自分もあの上司のようになりたい」と胸を躍らせる未来。
その第一歩を踏み出すのは、あなたです。