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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第84回 経営幹部の課題を〇〇できなければ組織変革は進まない

「去年〇〇コンサルティングの評価制度を入れたんだけど、まったく効果なかったんだけど」と不服そうに話すY社長。
私は思わず「〇〇コンサルティング!ですか?評価制度で!?」と聞き返してしまいました。
誰もが知っている超有名コンサルティング会社でしたが、評価制度ではそれほど実績がある会社ではありません。

すると、「まぁ、知り合いがいたからなねぇ」と、Y社長。
「ところで、何を期待されて依頼したのですか?」と私が尋ねると、よくぞ聞いてくれたとばかりに、社長がことの次第を話してくれました。

社長お話しが一息ついた時、つい「それは評価制度の問題ではないのかもしれませんね。」と
うっかり本音を漏らしてしまいました。

外資系コンサルティングのプロジェクトの値段というのは人数かける期間で大体相場は決まっています。数千万円弱の投資をふいにした気分でいる社長に思わず口を滑らせてしまって、苦笑い。

Y社長が両肩を上げて渋い顔をしたものの、先を続けて、という仕草をされたので、そのまま
続けました。

「幹部の〇〇さんと、〇〇さんの問題はおそらく同じところに原因があります。」
「社長が2人にお伝えしたいことを〇〇さんと、〇〇さんは、理解していないということですから。」すると、Y社長は言いました。「飛んでもない。もう何度も同じことを伝えてきたよ。」と。

そこで、2人の役員に実際に私が確認をすることにして、その日は失礼しました。後日、2人の役員と面談をして、社長に面談の結果を報告していると、社長は首を大きく振りながら、「そんなはずはない」「そんなはずない」「そんなはずはない」と3回繰り返して、私の目を覗き込むようにしながら「本当に何度も伝えてきたから。」と。

社長は「お前の聞き方が悪いのじゃないか?」という顔をしつつも、社長と役員の2名の
方々とのコンサルティングが始まりました。


経営幹部のパフォーマンスに問題がある場合の問題は、社長が経営幹部の課題を”明確に定義”できてないことが理由の一つです。

実際に経営者と話していると、全部ではないものの、経営幹部に関連する組織の問題は芋づる式に次々と明らかになっていきます。しかし、話に出てきた経営幹部の具体的な課題を聞いてみると言葉につまるケースは少なくありません。

また逆もあります。「彼はよくやってくれている」という幹部にさえも、本当はもっと期待していることもあるのです。しかし、それが”明確に定義”できていないのです。

これはこうした課題の整理は、時に経営者にとってみると、気持ちのいいものではないことは
よくわかります。また、かたくなにそこに時間を費やすことに拒否する経営者もいます。やったことのないことは比較検討ができません。抵抗が出るのはしかたありません。もっと重要なことがあると頑なに主張する人もいます。

しかし、組織の中心にあって、組織への影響力が大きな経営幹部が変わらないと、大本が変わらないので、時間がかかりすぎます。

まるで、根が腐りかけている大木の葉の色が悪いからと、葉っぱに薬をかけるようなものです。組織を変えるには中心から変えなくてはなりません。


”明確な定義”は社長にとって”明確な定義”だが、相手にとっては”抽象的な定義”ということであってはなりません。”明確な定義”は、双方にとって明確でなくてはなりません。何をもって明確なのかは行動で確認します。

成果を出す行動をとれていれば、それは双方にとって”明確な定義”であるということ、もし、行動をとってないければ、”明確な定義”ではなかったということです。

そもそも、組織の問題は、組織の運動量が低下していることが症状の一つとして多くの問題で現われてきます。ですから、行動につながらないなら、それは、”明確な定義”とは言えず、
まったく別ものであると、認識をしなければなりません。

”明確な定義”はいつも行動を生み出します。だから成果が当たり前に変わるのです。その観点で、御社の経営幹部の課題を今一度考えてみてください。

経営者自身への問いかけは、

まず、そもそも”明確な定義”な定義はできているのか?
そして、”明確な定義”は行動を生み出している

か否かです。