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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第146回 暗闇の中に確かな光、御社に希望の光は見えていますか?

先日、第3期のメンバーのご報告をS社長にした際のこと、「コロナ後も、更にそのあとも、繰り返し景気の波は必ずやってきますよ。それを乗り切る企業は、成長習慣をもった会社ですよね!」と、嬉しそうにおっしゃいました。

それに続いて、「いやね、先日も、驚いたんですけど、、、」と、この数か月で社長が驚くほど行動言動が変わった部長の話が続きます。ご報告に行ったのですが、社長のほうからの自ら感じた変化を伺うという、嬉しい展開でした。

さて、S社長がおっしゃることを、冷静に考えてみますと、、、

確かにコロナのような感染症の世界的流行という経済の停滞は一度も経験したことがないものです。しかし、確かにこの感染症は大きな障害にはなっていますが、原因はどうあれ、景気の波はあるし、それはあり続ける。

過去30年振り返っても、ざっくり、10年周期で起こっています。コロナの問題が長引くにせよ。想定より早く片付くにせよ。下がっては上がり、上がっては下がりがまた繰り返される。

今はまだどこまで下がるかわからない恐怖感はありますが、そうした、視界が暗くなる中でも、社長の目にある光景が入ってきたらどうでしょう?

その光景とは、社員達が前を向いて、一歩一歩、着実に力をつけてる様です。S社長が経験しているように、このような時期でもなお、幹部社員の言動、行動が変わり、組織全体が目に見えて変化していく光景です。

きっと、希望が湧いてくることでしょう。「大丈夫、この社員達といっしょなら大丈夫」と心の中でつぶやくことでしょう。


ところが、S社長が見ている光景は、ふつうの会社にあるものではありません。まるっきり逆の景色で困っているという相談をこのところ毎日のように受けています。

「緊急事態だ!」と、社長が資金繰りに奔走している最中でも、まるっきりいつも通り、ぼんやりモニターを眺め続ける社員。

社長が後ろ姿を見せるべく、先陣きって営業に出かけても、いつも通りただただ、社長の出かける様を見送る営業部門の課長。

そんな社員達の姿を見て、「一体俺はなんのためにこんなに頑張っているんだろう」って思うのです、という相談です。

これまた、在宅ワーク、リモートワークに企業規模を問わず取り組むようになって、更に悪化している印象です。

特に営業職の生産効率が極端に低下しているという問題、、、これもまた、現在の支援先とは対照的な問題として浮かびあがっています。これはまた、別の機会にお話ししましょう。


この緊急時に、組織が右往左往しているとしたら、まさにそれは、マネジメントに問題を抱えていることが明らかになったと解釈してください。

「いやいや、この緊急時だから、仕方がないですよ」っていうのは、しっかりと成長習慣が身についた企業の実態を知らないから出てくる発想です。

成長するとは、変化に対応すること。成長習慣が身についた組織は柔軟に対応します。生物が灼熱地獄、寒冷地獄に対応して進化してきたごとく、です。

柔軟に対応する方法というのがあるんです。これが身につくと、組織が外部環境の変化に応じて、自在に動きます。

一方、多くの社長が悩んでいるように、社長が必死で緊急事態であることを告げても、いつも通りのペースから変わらない組織は、成長習慣とは無縁の組織。

柔軟に組織を変化させるのは、マネジメントの技術によって実現できることなので、社長が怒鳴る必要もなければ、緊急性を煽る必要もないのです。


今まさに、環境変化の真っただ中に私たちはいます。初期の変化に対応しても、時間の経過とともに、まったく逆の対応が必要になる場合もあります。

成長習慣が定着した組織では、変化の後の、そのまた変化にも柔軟な対応が可能です。「前はあのように言ったじゃないか?」などという硬直した考え方をする人はいません。

成長とは何か?変化に対応するとは何か?が十分に訓練されているからです。原因思考ではなく、解決思考になっています。過去志向ではなく、未来志向になっています。

言葉にすると簡単ですが、行動は真逆。だから、成果がでるか、成果がでない分かれ目です。目に見えないほど小さな違いですが、途方もなく大きな違いを生み出すのです。


先日ある会社の社長と話すまで、この成長習慣は、この緊急事態にそぐわないかなと考えたこともありました。今は戦時の強いリーダーシップが求められていると。

でも、それは、違いました。その逆で今こそ、成長習慣が組織に必要なのだ強く感じたのです。S社長とは別の企業の社長とお話しをしたのですが、強いリーダーシップで一気に会社を大きくした社長がポツリと言いました。もう自分の鶴の一声で動かせる規模じゃないと。規模が大きくなれば、社長のも好き嫌い関係なく社長一人ではどうにも全部を動かしきれなくなっていきます。

それでも、社長一人で動かせると思っていると、いつか痛い目に遭います。どんなに凄腕社長であっても、40人を超えたら、全員の行動に目を配ることはムリだなというのが、これまで200社近い創業社長企業を支援してきてわかったことです。


そのムリに気づかず、俺は違うと豪語したところで、やがて組織はバラバラになっていきます。やってみないとわからない。確かにそれもあるかも知れない、でも、時間的な損失、経済的な損失、そして人的損失が大きすぎます。

もちろん、社長が悪いわけではありません。お会いした創業社長は、そのムリに気がつかずに、壁に当たります。社長の能力の問題では全くない。その問題に対応できるマネジメント技術があることを知らないだけです。多くの社長が、こんなものがあるとは思ってなかったとおっしゃいます。(まだまだ私の努力が不足しるのです・・・)

ただ、成長習慣は、社長が本気で望み、S社長のように「自分の組織に成長習慣を定着させる!」と決めるなら、必ず成功します。社長が本気なら、半年を経ずして、他の企業の社長さんたちが目の当たりしたように、変化を実感されます。

私がこのようにお話しすると、経営者の方が私のことを心配して、「必ずなんて言いだすと、やばいよ」と注意してくださいます。でも、敢えていいましょう。「社長が本気なら、必ず実現できます」と。だって、誰もができるシンプルな技術なんですから。

「必ず誰でも自転車に乗れますよ」と言って、1000人いたら、998人は乗れるのではないでしょうか。私の感覚としては、それと同じ感覚です。


成長習慣というのは、再現性が担保された技術です。プラモデルを説明書通りに組み立てれば、誰でも同じように、プラモデルを組み立てられる。

これが再現性が担保されている、というもの。まさに、1000人のうち、998人は同じようにできます。説明書にそってプラモデルを組み立てるがごとく、ステップを踏んで実行すれば、目の前の部下は意図通りに変わります。

怒鳴る必要はない。気合も、根性も必要ない。ただ、ステップ通りにやれば、半年立たずに、その変化を社長は目にするんです。


その光景を見たら、社長は私が言っていることを、過不足なく、その通りだ、と思うはずです。まさに、成長習慣が、今のような暗闇の中にあっての光、そして、組織に希望の灯が高々と上り、御社の未来を照らすように感じるはずです。

先の見えない中にあっても、「あー、これさえあれば、また挽回できる!」そう力強く自分に言い聞かせることができるはずです。組織の未来を左右する重要な重要な成長習慣、最初の一歩は、ほんとうに小さなものです。成長習慣を自社に導入するか否かは、社長の決断一つです。それは、無の中から生まれる小さな、でも、未来を照らしつくす、力強い光です。