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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第58回 衰退幹部は、自らが迷い続け組織を停滞させる 成長幹部は、覚悟を決め組織の成長を加速させる

若くして上場企業の役員として成功され、その経験、ネットワークをかわれて、あるベンチャー企業で役員をされているO取締役と出会ったのはかれこれ数年前のこと。

ある日の面談で、「もう耐えられないかも知れません。」とOさん。顔には溜まりに溜まった疲労が色濃く見てとれました。表向きは、自身たっぷりに指示をし、部下に対して激を飛ばしながら、自分の言葉が上滑りしていることを、Oさんは分かっていました。

「うまくいっていないこと」には気がついても、どうしたらいいか分からない、、、悶々と過ごした時間はなんと2年。悩みはじめから2年と数ヶ月がたった頃、私はOさんに出会いました。Oさんは社長にも、同僚にも、部下にも、隠し通してきたつもりでしたが、そこかしこにほころびだ生じていたのでした。


コンサルティングを受けることを社長から聞かされて、Oさんはちょっと恐くなった、といいます。「これは、社長が自分に自分に変われ」というメッセージを発している、と感じたとのことでした。

最初の面談時の最後に、「3年間思い悩んでいたことを正直に打ち明けようと決めた」、このようにおしゃっていました。その一方「なんとか今の状態から抜け出したい」そう言いながらも、面談した際に約束したことが実行できない膠着状態が3ヶ月続きました。

4ヶ月目のある日、Oさんからメールが送られてきました。

「吹っ切れました!面談で約束したことは全て実行します!」と。

それからのOさんの快進撃は傍目から見ても「すごい」の一言。業績にすぐには結びつかなかったのですが、泣き言一つ言わず、粘り強くやり抜く姿勢に、こちらも勇気をもらったものです。

今回のみならず、振り返ってみますと、どんな業種でも、どんな業態でも、組織が停滞から脱し、業績が飛躍的に伸びるとき、その組織を率いるリーダーには確固たる覚悟があります。


創業から10年、15年、会社規模が大きくなり、目の前の売上げに右往左往しなくなります。この頃の社長は、新たな取り組みを次々に開始します。そんな時、社長の言葉に忠実に動いてきた社員達に物足りなさを感じるようになるものです。

その不足感を補うために、ほとんどの社長が行うことは、幹部社員の採用です。

自分の知らない世界を知っているだろう人、履歴書に書かれている豊富な経験値を持った人、会って話すと社内にはいない貫禄をもった人。どれも逸材に見えてきます。まさに”即戦力だ!”、と採用です。

ところが、3ヶ月、半年、1年たっても、泣かず飛ばず。やがて聞こえてくる、即戦力だったはずの中途入社した幹部に対する周囲からのマイナスな評価。改めて目をこらしてみると、周りからの評価も然もありなんです。即戦力のはずの新しい幹部が、業績にとっても、組織にとっても、重しにしかなっていない。。。


Oさんのように期待を下回るまま、2年間もいることは稀なことです。早い場合は半年間で自ら去って行く場合もありますし、1年たって、降格等の職制の変更を機に辞めていく場合もあります。

一々目くじら立てることじゃない、そう強弁する社長もいらっしゃいます。それもありです。最初の数人は。この頃の社長は、社員との距離が広がっているので気がつかない方々も多いのですが、成果を出せずに悩める幹部が何人も入っては去り、去っては入りを繰り返していくと、組織全体の士気は下がる一方です。

Oさん自身が言っていましが、「業績を上げろ!」と叱咤激励をしている端から「これじゃ業績なんか上がるわけない」と思っている自分がいたそうです。末端の社員は気がつかないかもしれませんが、熱を持たない言葉でムーブメントはおきません。組織は動かないのです。

知らず知らず、組織は成長方向に持ち上がるのではなしに、停滞の方向に徐々に徐々に沈み込んでいく。組織の立て直しをした人ならこの感覚がお分かりだと思いますが、沈み込むにつれ、そこには重力が生じ、組織が飲み込まれていきます。

早めに手を打たないと、回復のためのエネルギーは本当に時間と手間とお金とエネルギーがかかります。


では、一体どうしたらいいのだ!?
では、一体どうしたら、覚悟が定まった人を採用できるのだ!?
では、一体そうやったら、掛け違ったボタンを修復することができるだ!?

この質問への答えはとてもシンプルです。Oさんの場合もそうでしたが、迷いを断ち、覚悟を定めて短期間に成果を出してもらうためには、社長が2つの要素を確認しながら、Oさんと対話の量を増やせばよいのです。これさえ行えば3ヶ月でまるで違う結果を作ることは難しくありません。

2つの要素を知らずに対話するだけでも、一定の効果はありますが、短期間に効果を出し、Oさんの覚悟を確固たるものにしてもらうためには、2つの要素を明確に意識していくことが最短です。


さて、御社は如何でしょうか?
社長であるあなたは、幹部社員を活性化させるための2つの要素を使っているでしょうか?
それとも、幹部社員の離職を止められず、組織を疲弊させているでしょうか?