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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第35話 衰退リーダーは、いいとこ取りしたつもりで撃沈する 成長リーダーは、全部真似してレベルを上げる

先日ある社長と話していましたら、二人の幹部の方の話になりました。

100億を超える社長とは思えぬ茶目っ気たっぷりの社長は、どんな話題も面白おかしく話してくださいます。今回の話もそうでした。

「S君は○○大出身だけど、○○大って結構難しいでしょ。よくあれで、○○大学に入れたなって思うんだよね。」

「Y君は、たいした大学でてないけど、よく頑張ってるよ。やれと言うこと、きっちりとやるもんね。」

誤解の無いように申しあげますと、この社長はたまたま、この有名大学出出身と無名大学出身という比較で話してましたが、学歴は一部に過ぎないと日頃言っている方です。

(私も、社長と全く同じ意見です。)

 


 

一方、この二人の違いをもっと明確に言うなら、
・有名大学出身のSさんは、よく言えば注意深い、悪く言えば、疑り深い。
・もう一方のYさんは、よく言えば天真爛漫、悪く言えば、思慮が足りない。
です。

まぁ、人それぞれですから、何が○で何が×ということはないのでしょうが、ことリーダーの資質となると、少々異なってきます。 実際に、コンサルティングの成果では、この二人において大きな違いを 生み出していました。

有名大学出身のSさんは、「やります」と言っていつも、実践する際に一部歯抜けでやってきます。もちろん、私も黙っていません。

「勝手にやるやらないを選択してはいけない」と突き返して、もう一度チャレンジしてもらいます。

ところが、時間は取り戻せません。自分なりに取捨選択したことが災いして、結果的に成果がでない。なので、再度同じことを別のやり方で繰り返すことになるわけです。

結局、同じ成果を出すために、1回で全部やる人と比べると、彼の2倍以上の時間が掛かりました。

もう一方の彼は、とにかく全部やってきます。やってみると分かることがあり、その課題の先にある次のステップに進むことが容易になります。

 


 

Sさんについては、何度も抜けるので、その原因を確認することになりました。

すると、
・自分なりに重要だと思うことからやってみる
・一番効果的だと思うことをタメしてみる
という答え。

そこで、 別の質問もしてみました。なぜ全部やってみると考えないのか?

すると、
・うまくいかない気がする
というのです。

そこで、具体的な過去の事例を上げて、上手くいかないと考える根拠を聞いてみました。
すると、少し考えてから、
・根拠はない、そういう気がするだけ
とのことでした。

 

これはとてもおかしなことです。

金メダリストの選手から、手ほどきを受けている小学生の生徒が、言われた通りやらずに、「そのやり方は正しくない」と口答えするのに似ています。

時間も無駄にしますし、わざわざ失敗するようなものです。ところが、現実に、同じような状況にはよく遭遇します。

私が出す宿題に対してもそうですし、
仕事でもそうです。
上司の指示に対しても、
顧客対応にしても。

Sさんは、勝手に変更するのがクセになってしまっていました。

Sさんの名誉のために言いますと、最終的にSさんは、このクセを克服しました。(想定よりも時間が少々かかりましたが、)私の役割としては、結果オーライなのですが、もしあのままだったらと思うとぞっとするのです。

 


対するYさんは、社長の表現通りで、言われたことはまるっと実践してきました。うまくいかなくても、実際に実践していることでの質問なので、改善策も具体的、ピンポイントのものになります。

だから、改善も着実に早い。

こうして、Yさんは、売上げで前年士30%以上の伸びを実現し、3年後は50億円を目指すというのですが、まったくその言葉に 気負いはありません。

先達のアドバイスに耳を傾けながら、まるっと実践すれば大丈夫という、これまで通りのスタンスなのです。

 


これをお読みの方はよくご存じとの言葉か思いますが、Yさんのスタンスは、利休が言った「守破離」です。

まず全部真似るが、守。 Yさんは、この守を徹底していました。

一方のSさんは、守破離の順番を無視して、いきなり離なので、時間ばかり掛かることを
繰り返していたのです。

さて、御社の幹部の方は如何でしょうか?
幹部の方々は、守破離の実践派揃いでしょうか?
それともつまみ食いで停滞しているでしょうか?