コラム「組織の成長加速法」-第22話 成長組織は、未来を創造する 衰退組織は、過去に翻弄される
支援先にお伺いしましたら、3分前に会議室のドアがノックされました。トップバッターのA事業部役員のYさんが笑顔で 「今日も宜しくお願いします」ご入室されてきました。
挨拶が済んで、着席されると、資料をざっと机の上に出され来期の計画について話し始めました。
(いつも通り、登場人物、設定を変えてのお話となります。少しでも御社の状況改善ヒントになれば幸いです。)
冒頭、その役員のYさんは、「来期の23億(昨年対比12%アップ)」はあまり心配していません。 次の期の38億円 (16%アップ)」のための土台作りをしっかりやります。」というと、 組織戦略、営業戦略にの個別の論点に移ります。
組織戦略、営業戦略の具体策では、私も遠慮無く質問させて頂きました。角度を変えて問題を見ることで、打ち手、選択肢が広がります。平面から立体的になり、曖昧さが削られて、具体的になりました。
Yさんは、戦略の完成度が増したこと、イメージが更に研ぎ澄まされたことがとても良かったと喜んでらっしゃいました。
冷静に考えたら、私が口を挟む必要なんかありません。だって、この伸び率尋常じゃありません。上場企業には逆立ちしたって無理です。
ところが、小回りのきく企業のマネジメントが改善すると、このような加速ステージに短期間に移行が可能なのです。
このなんとも言えない楽しい時間を共有しながら、Yさんと、最初にお会いした日のことがふっと頭をよぎりました。
「自分一人でやってきたんです!」
「部下に仕事を引き継いだことはありません!」
「部下との話って何話したらいいかわかりません!」
最初にYさんと状況確認した時は、そんな状態だったのです。あれから半年間、随分と変わったものです。
Yさんの口から、目に見える変化の報告が続々と出始め、Yさん自身、自分の部門のマネジメントに自信を持つように変わってきました。
「部下に仕事を振ってうまく進捗管理できるようになりました」
「部下とのミーティングのお陰か、○○支店、○○支店の支店長の行動言動が変わってきました。」
「売上げも、増加に転じて、継続できてます。」と。
当初とは、まるきり別な光景になっていったのです。
特別なことはやっていません。いつもの通り、ひたすら、部下が成長する組織に切り替えるための施策を確実に実行したことです。
徹底度合いにより、結果までの時間が変わります。でも、着実に変化を生み出すステップですから、やればやるだけ、誰がやっても、Yさんのように必ず変化を実感していきます。
このように、組織で成果がでるようになった成長企業には、未来が一気に開けてきます。未来に向けた投資を打てるようにもなります。
組織の力が発揮されることで、未来が創造されるのです。何も難しいプロセスはありません。必要ななのはたった一枚のシートと鉛筆一本。
シートに4つの要素を書き出すだけで出来てしまうのですから、やはり誰にだって出来るのです。
一方、衰退企業は、なかなか過去の延長から抜け出せません。寧ろ過去に翻弄され続けます。
・防止策も話し合われ、再発しないはずのクレームが再発する。
・悪いことに、再発するクレームはいつも、以前よりさらに深刻化していきます。
・突発というなのトラブルが、頻発したりと、モグラたたき状態です。
過去の事案に翻弄されて、前に進めません。
でも、時間は着実に流れています。その間、ライバルは前に進んでいます。
となると、ライバルの後塵を拝するどころか、前にうっすらと見えていたライバルの背中が、どんなに目をこらしても見えないという悲しい現実に直面することになってしまいます。
どうして、クレームが再発し、トラブルが続くのか。
どうやったら、過去の事象に引きづられずに済むのか?
一枚の紙に4つのことを書き出せば、すぐさま解決できることですが、、、やり方を知らなければ、過去に翻弄され続けるのです。
さて、御社は、現状を確認してみてください。
未来の創造していますか?それとも過去に翻弄されていますか?
もし、過去に囚われているとしたら、未来の創造に向かうために、組織の力を引き上げる仕組みはありますか?
いつ、その仕組みを手に入れますか?