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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第183回 若くても安定するリーダーの条件。それは、未来を決定すること。

 

とある会社の入社9年目のリーダーMさんは安定感抜群です。そのワケは、未来を見据えて行動することが定着してきたから、です。未来を見据えて行動するというのは、なかなかどうして、出来そうで出来ないこと。だからこそ、これが出来るようになったリーダーは、驚異的な安定感をもってきます。

企業活動の中で未来を見据えるというのは、大概、1年のことですが、未来を見据えるというのは、1年では不十分です。私達がお伝えしているリーダー技術では、この時間は、1年ではありません。大体、5年、10年、20年という中長期の未来を確定させます。これが、リーダーが安定感を増す条件なのです。

未来を決定し、それをやり遂げると覚悟を定める。これが出来るリーダーは、リーダー自身の成長スピードが段違いに速くなります。全ての人がすぐにここにたどり着くわけではありません。元から、これが出来る人は、全体の1%未満。これを、訓練によって、少しずつ伸ばしていきます。訓練によって、1年だった人が、3年になり。3年だった人が、5年になり、と長くなっていきます。

未来が確定していないリーダーは、ことある毎に自ら不安定となり、文字通り揺れ始めます。リーダーの揺れは当然組織にも影響します。これは時間差をあるので、このことを知らない人にはなかなか理解が難しい。しかし、リーダーの揺れは、必ず組織に伝播します。

 


 

このリーダーMさんの話に戻ります。Mさんは、もともとは、自他共に認めるマイナス思考でした。二言目には、お決まりの言葉「でも」「だって」「しかし」が口を突いてでていました。

もちろん、この言葉を使っている以上、変化に対しては無力です。変化に対しての対応が遅れることはあっても、早くなることはないからです。
臨機応変に対応できるリーダーを増やしたいならば、リーダーの思考パターンをガラリと変える必要があります。これも含めて、半年かけて、マネジメント技術を身につけていきます。

Mさんは、コロナで刻々と変化する状況下で、その実力を発揮しました。まず、次々とアイディアを出しました。12時間考えて、そのアイディアを精査すると、片っ端からアイディアを実践していきました。

Mさん、そして、マネジメント技術を身につけた多くのリーダーの活躍で、組織は臨機応援の対応を何度も繰り返していきました。その結果、他社が軒並み売上げを20-30%下げる中、前年より微増という神業のような数字を叩き出したのです。

 


 

20代、30代のリーダーが、直面するマネジメントの課題で、一番ハードルが高いものがこの年上の部下のマネジメントです。若いリーダーにとっては、簡単な指示を出すことすら、躊躇することもあります。こうした状況から、注意をし、行動変革を実現することができると、組織の生産性は急速に改善しています。

Mさんにも一人、苦手が年上の部下がいたのです。自分より社歴が長く、自分が取り組んだこともない分野も手がける先輩です。こうした業務経験が自分より長い先輩社員に対して、注意をする場面を想像すると、「キュッと胃が縮む感じがする」と、Mさんは教えてくれました。「なんでお前に言われないといけない?」「偉そうに言いやがって!」と反発されることを恐れていたのでした。それでも、注意をしなければと思うと、様々な嫌な場面の想像が、頭に浮かび、想像することすら、苦しくなってしまうのでした。

ところが、マネジメント技術の中にあるいくつかの技術を使い、コツをつかむと、状況が変わります。Mさんが、実際に、年上の部下に対して、注意を実践する過程で想像したようなことは何一つ起きなかったのです。

今では、Mさんは、まったくストレスなく年上の部下に対して注意もし、行動を変えるところまで出来るようになりました。その結果、Mさんより、10歳以上の年上の部下も、周囲が驚くほどの成長を実現させることができました。

 


 

目下、Mさんのところには、毎年新卒が入ってきます。個性豊かな新卒に対して、本領発揮するのは、Mさんが育てた入社3年目と5年目の主任です。リーダー大量製造が、Mさんの部門では、もう実現出来ているのです。

世間では、リーダーになりたくない社員が増えているといわれます。しかし、この会社では、その問題はありません。事実、Mさんが所属する部門の、2年目、3年目の社員達が、○○歳で、課長になる。部長になると決めています。

未来を決定するリーダーが増えると、必然的に社員にもそれが浸透していきます。日常的な会話が変わるのです。マネジメント技術が組織に浸透すると、組織文化までも、大きく変わっていくことがわかります。

 


 

未来を決定していないリーダーは、目の前のことしか見ていません。目の前しか見れないリーダーは、状況変化に右往左往します。平時でも、非常時でも、物事が全てうまくいくことはありませんが、目の前しか見れないリーダーは、事の大小関係なく、想定外の現実が起きると、すぐに混乱し、落ち込んでしまいます。

想定外の事態はどんな時でも、起こりえます。そんな時、未来を決定しているリーダーは、修正に次ぐ修正を繰り返します。変化に立ちすくことはないのです。未来が決まっているからです。決して立ち止まることがありません。言葉にしてしまえば、小さな差ですが、組織の結果に与えるインパクトは途方もなく大きいのです。